草木土のブログ

クリスチャンの視点から、LGBT問題や社会問題を取り上げます

現在LGBTの権利獲得運動において実現されているものの殆どは、1972年に決められた目標だった

1972年 ゲイの権利に関する綱領
 ー1972年にシカゴで開催された全米ゲイ団体連合大会で作成された綱領ー

 

www.rslevinson.com

 

今日は、上記文書の日本語訳のご紹介と、それについて当方が考えたことを書きます。

 

連邦政府レベル:

1. 雇用、住宅、公共施設、公共サービスにおける差別を禁止するために、すべての連邦公民権法、その他の法律、政府の統制を改正すること。

 

2. 大統領による大統領令の発布。軍隊が、自らの意思で軍隊への入隊を希望する者を性的指向を理由に排除すること、および同性愛を理由に名誉のない除隊を発令することを禁止し、過去に発令されたすべての除隊を、遡及して名誉あるものに昇格させること。

 

3. 大統領による、連邦公務員における性的指向を理由とする雇用・昇進差別の禁止、および採用時等の適格性審査における同性愛者に対する差別の禁止に関する大統領令の発布。

 

4. 独身者や同性カップルが被害を受ける税制上の不公平を解消すること。

 

5. 同性愛の外国人の入国、移民、帰化に対する制約を撤廃すること。

 

6. 同性愛者の女性や男性が作成し教える、異性愛に代わる有効で健康的な嗜好やライフスタイルとして同性愛を提示する性教育コースを連邦政府が奨励し支援する。

 

7. 個人の性的嗜好、行動、社会的・政治的活動に関する情報を文書やデータバンク用に編集、維持、配布することを禁止する適切な行政命令、規則、法律を制定すること。

 

8. 抑圧的な性差別社会によって生み出されたゲイの女性や男性が遭遇する問題を軽減するために設計された、ゲイの男性や女性の団体の援助プログラムへの連邦政府の資金提供。

 

9. 被害者のいない犯罪や性的指向に関連する性犯罪の容疑により、現在拘置所、刑務所、精神病院に収監されているすべてのゲイの女性と男性を直ちに解放し、遭遇した身体的・精神的強迫に対して適切な補償を行い、収監に関する既存の記録をすべて直ちに抹消すること。

 

州レベル:

1. 上記の要求1、6、7、8、9に列挙されたすべての連邦法およびプログラムは、該当する場合、州レベルで実施されるべきである。

 

2. 同意のある者の私的な性行為を禁止するすべての州法を廃止し、すべての法律の施行について同性愛者と異性愛者の平等を実現する。

 

3. 私的な性的関係への勧誘を禁止するすべての州法、および男女を問わず売春を禁止する法律を廃止すること。

 

4. 保険会社およびその他の国家的規制下にある企業が、保険および保証において、あるいは雇用や個人の所有地を管理するためのその他の前提条件において、性的指向を理由に差別することを禁止する法律を制定すること。

 

5. 子どもの親権、養子縁組、訪問権、里親などが、性的指向や婚姻状態を理由に否定されないようにするための法律の制定。

 

6. トランスヴェスティズム(服装倒錯)・クロス・ドレッサー(異性装)を禁止するすべての州法を廃止する。

 

7. 性的同意年齢を規定するすべての法律を撤廃する。

 

8. 婚姻単位に入る人の性別や人数を制限するすべての立法条項を廃止し、性別や人数に関係なく同棲するすべての人に法的利益を拡大すること。

_______________________________________

 

以上です。

性的マイノリティの権利獲得運動のはじまりは、ゲイの運動からスタートし、紆余曲折を経て現在のLGBTQという形態に落ち着きました。

さて、連邦レベルで実現を目指す目標のうち、現在実施されていないものはあるでしょうか?

 

細かく見ていきましょう。

まずは連邦レベルで実施を目指す目標

2番目の、軍隊での差別。

トランプ大統領の時代にトランスジェンダーの軍への入隊が禁止されましたが、2021年バイデン大統領により撤回されました。

 

6番目の、LGBT教育。

現在職場や学校において、LGBTQへの理解を深める為の啓蒙活動は当たり前に行われていますし、子どもをターゲットにした、トランスジェンダードラァグクイーンによる図書館での読み聞かせが各地で行われ、(日本でも東京都渋谷区等で実施されている)物議を醸しています。

出典:https://www.fulcrum7.com/news/2017/10/17/drag-queen-demon-reads-to-children-at-obama-library

9番目ですが、確かに過去キリスト教国家のアメリカではソドミー法なるものが存在し、LGBT当事者は迫害や差別を受けてきました。当時の彼らの願いは「放っておかれる権利」だったのですが、ある時を起点としてそれが徐々に変化していくことになりました。それが、ゲイ解放運動の歴史的事件として今日まで語り継がれる、1969年6月28日に起きた「ストーンウォールの反乱」でした。LGBTプライド月間が6月なのは、この事件に由来します。

この1969年の「ストーンウォールの反乱」で大いに奮い立った彼らは、1972年、遂にシカゴで総会を開催する運びとなり(全米から200程のゲイ団体が集結したそうです)この記事でご紹介している権利綱領の声明を採択するまでになりました。

 

今日、日本でもLGBTの権利は市町村、学校レベルで啓蒙されています。アメリカと同じく初期の「放っておかれる権利」から随分様変わりし、ツイッターを主な主戦場として激しく論争が展開されています。

「女性スペース」問題、同性婚合法化の是非とそれに伴う改憲運動(更に同性婚に連動した夫婦別姓問題も含む)トランスジェンダーの戸籍性別変更時の手術要件撤廃問題、男性・女性・父・母といった言葉を消す動き、など、人が生きる上での根幹に関わる問題が多数噴出してきています。

 

数年前、アメリカでこのような事件がありました。

www.asahi.com

有名俳優が知人に金を払って虚偽のヘイトクライムをでっち上げたというニュースでした。LGBT当事者は常に犠牲者である、というイメージを作り上げれば、世論は同情してLGBTに有利に働くことでしょう。

 

 

次に州レベルで実施されるべき目標

2番目の「同意のある者の私的な性行為を禁止するすべての州法を廃止」

同意さえ交わせば、2人はもちろん3人・4人・・・例えば男3人女5人というポリアモリー的な組み合わせでも、何でもOKにせよということですね。

 

3番目は、所謂ハッテン場以外でのハッテン行為、売春が自由にできる権利でしょうか。日本の銭湯でも一部のモラルのないゲイ男性によるハッテン行為に対し、注意喚起の貼り紙を出す銭湯まで現れました。

note.com

 

5番目は、子どもの問題です。

例えば養子縁組のあっせん機関が、同性愛者のカップルではなく異性愛者の夫婦が相応しいと発言すれば、同性婚成立後は「差別」として訴えられる可能性もあります。

同性婚合法化・・・これまでの男女の結婚と同性カップルを同等に扱うことを国が認めると、このような問題がでてくるのは間違いありません。

 

7番目の「性的同意年齢を規定するすべての法律を撤廃」

これは今日でも達成されている州はないのではないでしょうか?

子どもや少年少女を守る法律が撤廃してしまえば、すぐに小児性愛者の毒牙が子どもに伸びる可能性があります。

ちなみに北米にはナンブラという、未成年者の少年との性行為を合法にすることを求めて活動している団体が現実に存在しています。

 

8番目は一夫多妻(一妻多夫)、男女入り乱れての大人数での婚姻、なんでもありを目指すということですね。

 

 

最後に:

現在ツイッター上で議論されているあらゆる問題が、なんと50年前に計画されていた・・・これを知った時は正直驚きました。

彼らは50年前から未来を視野に据え、着々と歩を進めていたのです。

その結果、現在世界中でLGBT急進派と伝統的価値観を守りたい人々との間で、血で血を洗うような果てしない論争が継続中です。

 

そして、この計画目標に書かれている事項は、殆どがキリスト教の価値観と完全に相反するものです。

国家の最小単位は家庭にあり、夫婦、子どもで構成されている・・・一夫一婦制を壊せばやがて社会が崩壊します。秩序なき世界、モラルなき奔放な世界を受け入れるのならば、もはや我々人類に輝かしい未来は残されていないでしょう。